蜂の子とプロポリスの違いとは?
私たちは、ミツバチ達が自然の中で作り出した多くのミツバチ産品の恩恵を受けています。
その中には「蜂の子」と「プロポリス」もありますが、いまいち違いがわからないという方も多いのではないでしょうか?普段よく耳にしていても、具体的な効果まではあまりわからないものです。どちらも私たちの健康や美容を支える嬉しい効果があるのですが、それはどんな効果なのか、蜂の子とプロポリスの成分、効果を中心に違いをみていきましょう。
蜂の子とプロポリスってどんなもの?
蜂の子
ミツバチやスズメバチ、アシナガバチなど、蜂の幼虫やサナギは全て蜂の子と呼ばれています。蜂の子はタンパク質が豊富なことから、海産物の採れない中部地方の山間部を中心に郷土料理として食べられてきました。地元では佃煮などのお土産としても販売されていて、主にクロスズメバチの蜂の子が使用されています。
タンパク質の豊富さは日本だけではなく、海外でも古くから注目されていました。メキシコ・エクアドル・ルーマニアなどでも食べられてきた歴史があり、タイでは現在でも一般的な食材として使用されています。また中国では古くから漢方としても使用され、最も安全で副作用がなく、不老不死の効果がある最上級の薬とされています。
プロポリス
プロポリスとは、ミツバチが樹木の新芽やつぼみ・樹皮から分泌された樹脂を集め、花粉やミツバチが分泌した唾液・蜜蝋などと一緒に混ぜ合わせた粘着性のある物質です。プロポリスの特徴として抗菌作用があり、ミツバチは巣に持ち帰ったあと巣の隙間に塗りつけて、細菌などの侵入防止に使用しています。古くから人間にも利用されていて、ミイラを作る際に防腐剤として使用されていました。
プロポリスは採取される樹木の種類によって、特有成分や色に違いがあらわれます。一般的に黒褐色や赤褐色が多く、ヨーロッパや中国などで生産されています。日本では主にブラジル産のプロポリスが使用され、緑ががっていることからグリーンプロポリスと呼ばれています。
蜂の子とプロポリスの成分の違い
蜂の子
アミノ酸
必須アミノ酸全9種類
タウリン、アスパラギン酸、アルギニン、セリンなど非必須アミノ酸全10種類
ビタミン
ビタミンB1、B2、C、ナイアシン、コリンなど全8種類
ミネラル
マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄など全8種類
脂質
オレイン酸、リノレン酸、リノール酸など全8種類
蜂の子は、体内では合成できない必須アミノ酸を9種類全て含んでいるのが大きな特徴です。必須アミノ酸、非必須アミノ酸をバランス良く含んでいることで良質なタンパク質を作ります。良質なタンパク質は身体の機能を正常に保つ中心的な働きをする役割があり、エネルギーを生み出すためにも欠かせない成分です。
ビタミンB群の仲間、コリンは肝機能の向上、認知機能向上などの効果が期待できます。ノルウェーのホルダラン地方で行われた研究では、コリンの血中濃度が低い人ほど認知機能が低いという結果が出ています。コリンは体内でも合成できるビタミン用物質ですがその合成量は少なく、また多く含まれる食品も卵や白身魚卵、鶏レバーなどに限られてしまいます。蜂の子はこれらの食品にも劣らないコリン含有量を誇るので、認知機能の向上に高い期待ができます。
他にも、プロポリスには含まれていない脂肪酸も多く含みます。体内で代謝されるとEPA・DHAを作り出すリノレン酸、血中のコレステロールを適正に保ち、悪玉コレステロールだけを減らすオレイン酸などが含まれています。
プロポリス
ミネラル
カルシウム、亜鉛など全6種類
ビタミン
ビタミンE、葉酸など5種類
これだけを見ると蜂の子より成分の種類が少なく思えますが、プロポリスには特有の成分が含まれています。プロポリスには抗菌作用を持つ桂皮誘導体という成分と、300種類ともいわれるフラボノイドが含まれています。プロポリスの抗菌作用効果は、これらの成分が関わり生み出されています。
蜂の子とプロポリスの効能・効果の違い
蜂の子
耳鳴り・難聴の改善
めまいの改善
疲労回復
免疫力向上
メタボの解消
不眠の解消
美肌効果
蜂の子は耳鳴りや難聴の効果がよく知られています。その他、慢性疲労や運動による疲労の解消、メタボの原因になる内臓脂肪を減らす効果など、生活習慣病の予防にも効果的です。
プロポリス
メタボの解消
免疫力向上
花粉症の症状を軽減
アトビー性皮膚炎の症状を軽減
風邪の症状を改善
生理不順の改善
更年期障害の改善
プロポリスにも蜂の子と同じような効果・効能がみられます。大きな違いは、プロポリスは抗菌作用によってウイルス性の風邪の予防に高い期待ができる点です。また、婦人科疾患に対しても葉酸の作用によって改善が見込めます。
蜂の子とプロポリスはどっちを選ぶべき?
幾つもの成分が複合的に作用して、私たちに様々な恩恵を与えてくれるのがミツバチ産品の特徴です。両者の効能・効果をみると、どちらも多くの症状の改善・緩和に期待できることがわかります。
プロポリスの抗菌作用は、厳しい自然の環境を生き抜くために身につけた能力です。これまで絶えることなく生命を繋ぎ続けた植物達の姿からも、その抗菌作用の高さに納得できるでしょう。また腐敗防止に使用されてきた背景もあり、その高い抗菌効果が伺えます。プロポリスはこの抗菌作用を特徴としているため、様々なウイルス性疾患や感染症の予防に高い期待ができます。
一方の蜂の子は、プロポリスの抗菌作用に守られながら繁栄を続け、豊富な栄養素を蓄えてきました。その栄養価の高さはプロポリスにも負けない効果を生み出してくれて、効果の秘密は蜂の子が使用されてきた歴史が証明してくれています。
蜂の子は漢方として使用されてきた歴史がある
蜂の子には前述した効果以外に、食欲増進、肩こり改善、慢性関節リウマチ患者の関節のこわばり改善、イライラ改善なども効果としてあらわれます。また、個人差はありますが比較的効果に即効性がみられます。
これらの効果は、蜂の子に求める本来の目的の効果とは別にあらわれるもので、具体的にどの成分が作用しているのか「説明がつかない効果」なのです。ですが、これらの効果は蜂の子の歴史が根拠を示してくれています。
蜂の子は日本ではタンパク源として食べられてきましたが、中国では2000年以上前から食用の他、漢方としても使用されてきた背景があります。蜂の子は漢方の中で最上級に位置づけられる「上薬」として用いられ、滋養強壮・若返りの薬として重宝されてきました。この上薬には、服用していると身体が軽くなる効果があるとされていて、これらの効果が蜂の子の「説明がつかない効果」にあたります。
花月クリニックの辻和之医学博士によると、この効果については西洋医学では説明がつきませんが、東洋医学では「気」による効果としてある程度説明できるとしています。
つまり、蜂の子に含まれる現代の栄養学では解明できていない微量な成分が、アミノ酸やビタミン、ミネラルだけでは説明のつかない様々な効果を生み出してくれているといえるのです。このことから、蜂の子のまだ明らかになっていない多くの効果に今後も期待できるといえるでしょう。
蜂の子の効果的な取り入れ方
蜂の子は、昔から一部の山間部の地域で郷土料理として食べられてきました。現在では栄養成分の豊富さが注目され、佃煮などの形でお土産品としても販売されています。もちろんそのまま食べても良いのですが、見た目などに少々抵抗を感じる方もいるかも知れません。
初めて蜂の子を取り入れる方は、見た目の気にならないサプリメントから始めると良いでしょう。サプリメントは蜂の子の豊富な栄養成分を凝縮して、吸収しやすく加工しています。まずはサプリメントで栄養成分の効果を実感してからお土産を購入すると、見た目に抵抗を感じることなく食べられるかも知れません。
身体の不調の原因は、「気」の流れの影響も考えられます。ですが、「気」の持ちようでは改善は難しいものです。蜂の子サプリメントで豊富な栄養成分を摂取して、「気」から体調改善を目指していきましょう。
参考
蜂の子とプロポリスの違い
https://www.malitourisme.com/propolis.html